【ひめゆりの歌が聞こえる】4話「ヨイトマケの唄」ネタバレ【娘のためにカラダを売る母】
こんにちは^^
今日もカゲキな漫画を紹介します!
それがこちら、
「ひめゆりの歌が聞こえる〜女の戦争哀史〜」
この「ひめゆりの歌が聞こえる」は短編集になっています。
4話目に収録されている「ヨイトマケの唄」という話。
戦争で夫を亡くし、女手ひとつで娘を育てていた母。
可愛い子供のためにと、カラダを売ることも厭わなかった彼女ですが、
そのせいで、娘がイジメられていることを知り・・・
母の愛に、涙せずにはいられません。
感動的なストーリーです!
ネタバレ読む前に↓
「ひめゆりの歌が聞こえる」4話「ヨイトマケの唄」あらすじ
戦後。
主人公・トモ代は、戦争で夫を亡くし、女手ひとつで娘の淳子を育てていました。
トモ代にとって、淳子は生きがい。
しかし派手な化粧をし、小料理屋で、夜の仕事をするトモ代。
そんな彼女を、淳子の級友たちは「ケバケバお化け」と罵っていました。
だけどトモ代は、そんなことは気にしません。
今夜も淳子を家に残し、トモ代は勤め先の店に向かいます。
「ぽん太」は、一見小さな小料理屋ですが、
実は、トモ代はここで、常連相手にカラダを売っていました。
最初はイヤイヤだったけど、可愛い娘を飢えさせないため。
(女って、慣れるものね)
ナベさんに媚びを売り、今夜も小遣いをもらうトモ代。
酔いつぶれて帰ったその夜、トモ代は、もらったお金でブラウスを買いに行こうと、淳子に約束します。
土曜日。
買い物を終え、家に戻ったトモ代と淳子。
その時、トモ代の家の前で、1人彼女を待つ「ナベさん」の姿を見つけるのですが・・・
「ひめゆりの歌が聞こえる」4話「ヨイトマケの唄」ネタバレ!
不動産屋を経営していた、ナベさん。
いい出物があったことを、トモ代に伝えにきたのです。
「大して広かねぇが、母子2人にゃ十分だ」
「ぽん太辞めてよ、俺の世話になれよ」
娘の淳子も一緒に、面倒を見てくれるというナベさん。
その言葉に、トモ代は大喜びします。
「うれしい、ナベさん!」
これで、淳子にも楽をさせてあげられる。
大学にもやれる!
その日から、ナベさんはおおっぴらにトモ代の家に出入りするようになります。
逢引している間、外に出るよう言われる淳子。
母の相手には、奥さんがいる。
それを知った淳子は、大きなショックを受けるのですが、浮かれたトモ代はそんなことには気がつきません。
しかし、そんなある日。
いつものようにナベさんと抱き合うトモ代。
その最中、ナベさんの妻がトモ代の家に乗り込んできます。
「あんた、何よこの女はっ!」
「店の金まで持ち出して!」
トモ代に飛びかかり、胸ぐらを掴む妻。
もみ合いの最中、淳子がずぶ濡れになって帰ってきます。
しかしそんな娘の姿に目もくれず、ナベさんを追うトモ代。
淳子は1人、そんな母の背中を見送りました。
ナベさんは、自分と別れる気は無い。
それを確認し、ホッとして帰宅するトモ代。
帰り道、トモ代は男の子たちに囲まれている、淳子を見つけます。
なんと淳子は、たくさんの男の子に囲まれ、無理やり服を脱がされていました。
「パンパンの母ちゃんなんだからよ、娘だって裸見せんの平気だろ?」
「今度は兄貴たちにも見せてやれよ!」
スカートを脱がされ、涙を流す淳子。
それを見たトモ代は、怒り狂います。
「おまえらぁぁ!」
「ウチの娘に何してる!」
包丁を振りかざし、子供達に飛びかかるトモ代。
彼らを追い払ったあと、トモ代は、淳子の元に駆け寄ります。
しかし淳子は、そんな母を冷たい目で見下ろし、
あげく、トモ代が持っていた包丁で、切りかかってくるのです・・・
「ひめゆりの歌が聞こえる」4話「ヨイトマケの唄」まとめ
たった1人の娘を育てるため、体まで売り、働いていたトモ代。
しかし彼女の「仕事」は、娘の淳子を追い詰めていました。
母の仕事のせいで、「パンパンの娘」と呼ばれ、激しいイジメを受けていた淳子。
そんなことはつゆ知らず、トモ代は「ナベさん」の愛人になる道を選ぼうとします。
だけどそのせいで、娘が自分を憎んでいることを知ったトモ代。
絶望の中、彼女は娘を思うあまり、ある決断を下すのです。
子供のためにと思ったことが、こんな風に裏目に出てしまうなんて。
全て母の愛情からきたことなので、読んでいてとても切なかったです。
淳子がイジメられていたことを知ったトモ代。
彼女が次に選んだ仕事は、日雇いの「ヨイトマケ」でした。
愛人になろうとした時も、ヨイトマケになってからも、娘のために、必死に働いたトモ代。
結末は、とても感動的です。
「ひめゆりの歌が聞こえる」最後の短編にふさわしい、余韻の残る作品でした。
読んでよかった。
本当に、そう思います。